保護者とのコミュニケーション

ADHDの疑いのある子どもの保護者への接し方ADHDの疑いのある子どもの保護者への接し方

※本コンテンツは、ADHD以外の発達障害と共通する内容が含まれています。

クラスに「ADHDかもしれない」と様子が気になるお子さんがいる場合、保護者にどう接したらよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。ADHDの疑いのある子どもの保護者に接するとき、次のようなポイントを意識するとよいでしょう。

いきなり疾患名を持ち出さない

ADHDかどうかを診断できるのは医師のみです。突然疾患名を出されることで混乱し、精神的に追い詰められてしまう保護者もいると思いますので、「ADHDかな?」と思っても、教師の見立てだけでADHDなどの疾患名を告げることは絶対にしてはいけません。

「保護者の思い」と「教師の思い」を共有する

「子どもの気になる様子」や「個別の支援が必要」といった話を一方的にすると、わが子や自分の子育てを否定されたと感じ、壁をつくる保護者もいます。まずは、保護者の思いに耳を傾けることが大切です。日々の子育てのことや、生まれてから今までの子どもの様子などを聞く中で、保護者の本音に触れられるかもしれません。
その上で、学校生活において「子どもが何に困っているのか」「教師が心配しているのはどんな部分なのか」を伝えましょう。そのとき、「困った子」といった伝わり方にならないように注意しましょう。「子ども自身が困っている」という視点で話すことで、保護者は「先生はうちの子を責めているのではなく、心配してくれている」と感じてもらえるでしょう。

【例:忘れ物が多く学校生活に支障が出ている場合】
イラスト1:例:忘れ物が多く学校生活に支障が出ている場合

専門機関を紹介するのは信頼関係を築いてから

学校で対応できることを検討・実践する中で、保護者と密にコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが大切になります。このような対応を積み重ね、保護者自身が専門家の話を聞いてみたいと思えるようになった時点で、学校の中で十分話し合って、保護者に専門機関へ相談する意思があるかを確認した上で、近くにある相談機関や医療機関を紹介してもよいかもしれません。
そのとき、ただ「~で相談してください」と言うと、見放されたように感じる人もいます。一方的に専門機関への相談を促すのではなく、保護者の気持ちを尊重し、「一緒に考えていきましょう」という姿勢で伝えましょう。

監修:筑波大学人間系障害科学域 知的・発達・行動障害学分野 教授 柘植 雅義 先生

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